わが母なる暗黒

わが母なる暗黒 / ジェームズ・エルロイ
J・エルロイは10歳の時に母親を殺され、その事件はその後迷宮入りになった。この本は筆者が事件後約30年後に当時の事件記録や当時を知る人へのインタビューを通じて事件を再調査したノンフィクション。
四部構成で、第一部は当時の迷宮入りになるまでの捜査を文章で再現。若干物語調。第二部が筆者の30歳までの自伝。第三部が再調査を行う際のパートナーとなったビル・ストーナーの紹介。第四部が再調査の詳細な記録。
著者が自分の本で何度も読み返すのはこれ1冊だけと言っているとのこと。自分の母とそして自分自身を暴いていく本書が著者にとっては決定的な1冊というのは何となく分かる。
解説には、第二部から読む事をお勧めする、この本はどの部から読み始めても良い、などと書かれている。事件に関する当事者ではない単なる一読者の自分にとっては、第一部は非常に退屈だったが、第二部はかなり引き込まれた。
第二部の最後の方、
「わたしはまた名前を忘れるのではないかと恐れた。心おぼえにベッドの後ろの壁に名前を書きつけた。その傍らに“おれは狂わない”と記した。」
ってところにはかなり心を打たれたというかショックを受けたというか。(解説でも少し言及されてたが)訳がいいというのもあるだろうが、第二部は力強さがあって訴えかけて来るものがあり、読み物としてもスゴいと思う。
第四部は再調査を通じて筆者の心の動き・変化が読み取れる。彼のファンにとっては、彼を少しでも知る手がかりになるのか?
まぁ自分としては第二部だけで満足って感じ。それだけでも読む価値はある。
amazonの商品ページ。レビュー記事で思い出した。馳星周の本って面白いのかな?あの見た目なので食わず嫌いしてて読んだ事がないんだけど、、、

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“わが母なる暗黒” への4件の返信

  1. 凄く、興味をそそられました!
    AMAZONに注文出そうかと思ってます。

  2. 凄く、興味をそそられました!
    AMAZONに注文出そうかと思ってます。

  3. もしJ・エルロイの小説を読んだ事が無いのなら、「ホワイト・ジャズ」あたりから読んでみるのもいいと思います。

  4. もしJ・エルロイの小説を読んだ事が無いのなら、「ホワイト・ジャズ」あたりから読んでみるのもいいと思います。

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