無償版 G Suite からの移行手段・方法

2021年初めの方に Google が無償版 G Suite (G Suite legacy)を終了すると発表して1年以上が経った。自分もいくつかのドメインで 無償版 G Suite を使っているのでそろそろ移行しなければいけない。

今回は、無償版 G Suite からの(無料での)移行手段・方法、それに関連する情報を簡単にまとめてみたい。

移行の選択肢

有償版 Google Workspace

全ての機能が移行できるので、お金を払ってもいい人はこの方法が良い。ただし、ユーザー数による従量課金なので、ユーザー数が多い場合にはちょっと厳しいかも。

趣旨とは外れるので、有償版に関しては本記事ではこれ以降触れない。

メール以外を「料金不要のオプション」に移行

無償版 G Suite の廃止を発表した時点では、有償版 Google Workspace への移行以外の移行手段を Google は用意していなかったが、ユーザーからの声が大きかったのか、以下の2つの機能を除いた G Suite のようなものを用意して、希望者はそこへ移行できるようにするらしい。

  • カスタムドメインでの Gmail
  • 複数ユーザーの管理

公式情報は以下の通り。

料金不要のオプション

以下のようなニュースサイトの記事を見た方がわかりやすいかもしれない。

グーグル、今はなき「G Suite」のユーザーに無料のGoogleアカウントに移行してもらう予定と発表 | TechCrunch Japan

この「料金不要のオプション」がどのようなものかはまだ分からず、上述の Google のページには、2022年4月19日現在

今後数週間以内に、Google 管理コンソールに待機リストについてのメッセージが表示されます。

と書かれている。機能として Gmail が含まれないのはまぁ想像つくが、「複数のユーザーを管理する機能」が含まれないということは、

  • 1ユーザーのみ移行できるの
  • 全てのユーザーのデータが1アカウントに集約される
  • その他?

という感じだろうか。

詳細が分かったら別途記事を書こうと思う。

メールを Zoho に移行する

「料金不要のオプション」には Gmail は含まれないため、Google Workspace に移行しない場合、メールはどこかに移行する必要がある。その場合、Zoho が一番の選択肢となる。理由としては以下の通り。

  • 独自ドメインが使える
  • 5ユーザーまでは無料で使える

個人的にも Zoho は元々2つのドメインで使っていたが、使い勝手も良くお勧め。

移行しない

「移行の選択肢」と書きつつ「移行しない」というのはちょっと変だが、簡単に説明する。

Google Workspace や 無償版 G Suite にはデータのエクスポート機能があるので、それを使ってデータをローカル PC に保存した上で、移行せずにアカウントを削除するというのも一つの選択肢だと思う。

Google Apps (Google Workspace, G Suite より前の名前) が無料だったときにとりあえずアカウントを取ったけどあまり使っていない人とかも結構いると思う。そうした人にとってはこの選択肢が一番良いかもしれない。

メールを Zoho に移行した上で Google Workspace Essentials Starter に移行

今年(2022年)2月に、Google は Google Workspace Essentials Starter というプランを発表した。簡単に言うと、Google Workspace から Gmail を取り除いた代わりに無料で使えるというもの。詳しくは以下のページを参照。

Business Collaboration Platform Essentials – Google Workspace

これを使うためには、(@gmail.com などではなく)独自ドメインのメールアドレスを持っている必要がある。従って、現在 @my-domain.com を無償版 G Suite で運用している場合

  1. @my-domain.com 宛のメールを Zoho で受け取れるように DNS 等を設定
  2. データをエクスポート
  3. 無償版 G Suite を解約
  4. name@my-domain.com を使って Google Workspace Essentials Starter に登録
  5. 2 でエクスポートしたデータを何らかの形でインポート(あるいは諦める)

という手順を踏む必要がある。なお、データを簡単に移行する方法は無さそう。

Q. 書き出したデータを別の Google Workspace ドメインで読み込めますか?

A. いいえ。書き出したデータを別の Google Workspace ドメインで読み込むことはできません。詳しくは、Google Workspace アカウント間でデータを移行するをご覧ください。

ちなみに、Google Workspace Essentials Starter は上述の「料金不要のオプション」と同じかと思ったが、Google Workspace Essentials Starter は複数ユーザーの管理が出来るので、別物っぽい。

無償版 G Suite からのデータエクスポート

データエクスポートの方法について簡単に説明しておく。

まずは以下の手順に従う。

組織のデータを書き出す – Google Workspace 管理者 ヘルプ

これで、Google Cloud Storage にデータがエクスポートされる。それをローカル PC にダウンロードすれば良いが、Google Cloud Storage の画面からはファイルを1つずつしかダウンロード出来ない。ファイルの数が多い場合は、コマンドでダウンロードする必要がある。

# GCP へログイン
gcloud auth login
# ファイルのダウンロード
gsutil -m cp -r \
  "gs://takeout-export-12345678-90ab-cdef-0123-456789abcdef/20220420T01234567Z" \
  .

コマンドラインツールのインストール方法は以下のページを参照。

Install gsutil | Cloud Storage | Google Cloud

まとめ

独自ドメインで Gmail、Google ドライブなどが無料で使えていた無償版 G Suite がついに使えなくなった。お金を払って Google Workspace に移行できる人はした方が良いと思うが、予算の関係などで移行したくない人は、メールは Zoho に、それ以外を Google が提供する「料金不要のオプション」に移行するのが良さそう。

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