東京オリンピックの感想(7/26)
柔道男子73kg級大野将平
事前の予想
1年5ヶ月(?)ぶりというのを不安視するメディアもあったけど、彼なら大丈夫だろうと勝手に思っていた。柔道ってオリンピックや、たまにTVでやってたら日本選手権とか見るくらいで、彼の試合もちゃんと見たのは前回のオリンピックくらいなので、特に根拠は無いんだけど。
とは言え、今までも金メダル確実と言われて取れなかった人も結構いた。篠原信一、小川直也、など。なので、ほんのちょっとだけ心配ではあったけど、メディアを通して聞こえる他の柔道家の話からすると、それらの先輩達と比べても大野のレベルは上のようなので、やっぱり大丈夫だろうとは思った。
本番
さて、実際に試合が始まってみると、準決勝までの試合は全く危なげなく、素人目にも圧倒的な力の差があることが分かった。特に、準々決勝の相手は前回銀メダル、世界ランキングも2位という実力者のようだけど、完勝に見えた。
決勝はかなり苦しんで10分近くの熱戦。特に、相手の消極的姿勢には指導が出ず(お互いに出された1回のみ)、逆に大野に2回指導が出されたのはちょっと変だなと思い、もし負けるとしたら指導3回での反則負けかなと思った。解説の穴井さんも、この試合に関してでは無いけど指導の出し方については疑義を呈していた。
そんななか、延長5分過ぎに支え釣り込み足での技ありで勝負あり。さすが。
勝負が決まった後に若干歯を食いしばったような感じで少しだけ表情を変えたけど、畳を下りるまでは淡々といつもの様子で礼をする。畳を下りてコーチと抱き合ったときに初めて笑顔がでたが、その後はまた元の表情に戻った。
インタビュー
恒例の試合後のインタビュー。人間がしっかりしてて頭が良いと思った。以下、感銘を受けたり驚いた点。
- 開催に賛否両論があったことに触れつつ、自分の柔道が誰かの心を動かせたのなら光栄、というような感じで謙虚に述べていた
- 苦しさ、怖さについて何度も述べていた
- 柔道が嫌いになった、「自分は何者なのか」を証明するために戦ったという話
- 自分を倒す稽古をしていきたいと、敵は自分という考え
【優勝インタビュー】連覇の大野将平「“自分は何者なのか”と証明する戦いができた」― スポニチ Sponichi Annex スポーツ
その他、細かい点としては以下が気になった。
- 一人称が「私」というのが、スポーツ選手っぽく無くて良い
- 日本チームのマスクは、大柄な柔道選手にはちょっと小さすぎる気がする
感想
あれだけ実力差があると思われ、解説の穴井さんや他のテレビ番組に出てた吉田秀彦さんとかの専門家も口には出さなかったものの、金メダルは確実と信じられていた大野選手でも、決勝であれだけ苦しむというのを見ると、柔道でオリンピックを連覇するというのは途轍もないことなんだなと思った。
そう考えると、野村忠宏は言葉では表せないくらいの偉業だなと思った。レスリング3連覇の吉田沙保里ももちろんとんでもないんだけど、競技人口を考えると男子柔道での3連覇はやはり一段上に思えてしまう。4連覇の伊調馨となるとまた話は別だけど。
男子バスケットボールスペイン戦
惜しかったけどやはり力の差はあった
世界選手権覇者であるスペイン(世界ランキング2位)との一戦。序盤でかなり点差を付けられ、あぁやっぱり力の差は大きいなと思ってたら、同点に追いついたりして「おぉ」と思った。
とはいえ、2Qの後半にかなり離され3Qでは20点差以上だったので、さすがに無理かと思ったら、3Qから追い上げて一時は10点差までに追い上げたので、成長は感じた。2Qにもう少し抑えられればなぁというのが結果論ではあるが感想。たらればだけど、フランス戦に次ぐアップセットもあり得たかも。
個々の選手の感想
個々の選手だと、ディフェンスが良いと言われる渡邊雄太が相手エースのリッキー・ルビオに良いようにやられていたのが結構ショックだった。ルビオは調子が良かったのかもしれないが、シュートをスパスパ決めてアシストも多く、手が付けられない状態だった。とは言え、マーカーが馬場に変わってからはある程度止められていたので、馬場の守備の良さというのに初めて気づいた。
渡邊は守備ではルビオにやられていたけど、それでもリバウンドや攻撃でチームを引っ張ってて頼もしい。序盤にフリースローを結構落としていたのが試合の流れからすると少し痛かったかもしれない。
八村は相手にマークされてて時に2人、3人ついている中、突破して豪快にダンクを決めたり、流石としか言えない。
その他だと、金丸が出てきて3ptを立て続けに決めたのは嬉しいし、次の試合に繋がるかも。
次はスロベニア戦
さて、次のスロベニア戦にはルカドンチッチがいる。ルビオもNBAスター選手ではあるけど、ドンチッチはスーパースター。初戦のアルゼンチン戦でも48得点を挙げている。
マッチアップは渡邊雄太なのかな。ルビオ相手でもかなりやられていたし、1人で止めるのは無理かなー。というか、NBAではほとんど誰も彼を止められていないので、仮に1人で止められるのであれば NBA トップクラスのディフェンダーという事になってしまう。現実的には、渡邊があたりつつダブルチームとかに行くのかな。
他の選手も3ptの精度も高そうで、勝つ見込みは少なそう。
ドンチッチは気性が荒いので、イライラさせてファールトラブルに陥れる、あるいはファールアウトさせれば、可能性はある・・・かも。