マレーシアでの「居住者」の定義
今日、マレーシアの銀行からマレーシア国外にオンラインバンキングで送金する時に、resident かどうか、という選択肢があった。現状、マレーシアの就労ビザ(Employment Pass)を持っていてクアラルンプールに住んでいるので、当然 I’m a resident. みたいな選択肢を選んだところ、エラーとなった。正解は、I’m not a resident. らしい。
そもそも「居住者」には複数の定義がある
日本でもそうだけど、一口に「居住者」と言っても、文脈によって複数の意味がある。
- 一般的な意味で、ある場所に住んでいる人
- ビザ等のステータスによりある国に居住できる人
- 税務上の話
- etc.
マレーシアにおける「居住者」
通貨管理関係の話
今回該当するのは、マレーシアリンギットなり外国為替の管理上の話で、以下のページに定義が記載されている。
Guide to the exchange control rules – Bank Negara Malaysia
日本語での説明は、JETRO のサイトより引用しておく。
居住者は次のように定義される。
- マレーシア国民(マレーシア国外の領域の永住権を所持し、国外に居住する者を除く)
- マレーシアの永住権を所持し、定住する非マレーシア国民
- マレーシアで設立、登録、または認可された“人”(法人・非法人、本社・支店を問わず)
非居住者は次のように定義される。
為替管理制度 | マレーシア – アジア – 国・地域別に見る – ジェトロ
- 居住者以外の個人
- 居住者である会社の海外の支店、子会社、地域事務所、営業所、駐在員事務所
- 大使館、領事館、高等弁務官事務所、超国家機関、国際機関、またはマレーシア国外の領域の永住権を所持し、国外に居住するマレーシア国民
税務上の話
マレーシアの場合は単純で、
「マレーシアに1年間に182日以上滞在する場合には居住者とされる。」
との事。
ちなみに、日本の場合は以下の通り単純に日数で判断する訳ではない。
従って、日本とマレーシアの両方で「居住者」と判定される事もあり、「双方居住者」と呼ぶらしい。詳しくは以下のページが分かりやすかった。
ビザ等のステータスの話
日本人にとってマレーシアに比較的容易に長期居住できるビザ・ステータスの主なものとしては
- 就労ビザ
- 学生ビザ
- デジタルノマドビザ
- MM2H (サラワク、サバも含む)
あたりだと思う。これらのビザ・ステータスを持っている人は、マレーシアの「居住者」と呼んでも良さそう。
まとめ
「居住者」の定義は文脈によって大きく異なる。マレーシアに住んでいる日本人がマレーシアの銀行からマレーシア国外の銀行に送金する際に「居住者」かどうかを聞かれる場合があるが、その場合は「非居住者」を選ぶ必要がある。