マレーシアでの銀行口座開設(Maybank)
前回は HSBC での銀行口座開設について書いたが、今回はマレーシア最大手銀行である Maybank での銀行口座開設について書く。
前提
この手の話はその人のビザステータスなどによって大きく異なるので、前回同様、まずは自分自身のことについて少し書く。
- マレーシアでのステータスは就労ビザ(Employment Pass)
- 自分の会社をマレーシアに作って、その会社の Director として働くという形
- ビザが下りたのが2024年1月、ビザの期限は2年間
- Kuala Lumpur 市内、Mont Kiara 地区のコンドミニアムを借りて住んでいる
- 契約は2024年3月開始
- マレーシアの携帯番号あり
- 英語は流暢では無いが、仕事で使える程度には話せる
- 本記事の口座開設を行ったは2024年5月初旬
- ビザの残りは1年以上ある。
- マレーシアに住み始めて1ヶ月くらい。
ちなみに、今回は家族ビザ(Dependant Pass)の妻も一緒に口座開設をすることにした。
今回は Maybank Desa Sri Hartamas 支店
Maybank を選んだ理由は、AEON カードの引き落とし口座にするので
Maybank を選んだ理由について、順を追って説明していく。
クアラルンプールにはクアラルンプール日本人会という組織があり、自分はそこの会員になっている。毎月会費が発生するのだが、支払い方法としてはいくつか選択肢がある。
The Japan Club of Kuala Lumpur | 個人でのご入会
一番簡単なのは「KL 日本人会クレジットカード(AEON クレジットカード)」による自動支払いだが、このカードの引き落とし口座に HSBC は指定できないらしい。そのため、引き落とし口座となる銀行の口座を新たに作る必要がある。
同カードの引き落とし口座に出来ればどの銀行でも良かったのだけど、とりあえず長いものには巻かれろという事で、国内最大手の Maybank を選ぶことにした。
Desa Sri Hartamas 支店
実は Maybank には Mont Kiara 支店というのがあるが、Mont Kiara とはいっても外れの方にある。一方、Desa Sri Hartamas は Mont Kiara の隣にある地区で、自宅からだと Desa Sri Hartamas 支店の方が近いから、という単純な理由で選んだ。
手続き
必要なもの
結論から言うと、口座開設には以下のものが必要だった。
- Employment Pass (妻の場合は Dependant Pass)が貼られたパスポート
- ビザの有効期限は半年以上残っていないとダメらしい。
- SMS を受け取る電話番号
- 携帯番号の取得は容易なので、マレーシアの携帯番号を使うことをお勧めする。
- 雇用主からのレター
- ネットで適当にテンプレートを探して作成した。
- 詳細は後述。
- 法人の株主構成が記載された文書
- 法人設立時に秘書役である会計事務所からもらった。
- 自分が100%の株主。
- 在マレーシア日本大使館で発行された戸籍謄本の英訳
- 参考: 各種証明書発行 | 在マレーシア日本国大使館
- 妻との婚姻関係を証明するために必要。
今回は、住所を証明するものは不要だった。
流れ
一度、妻と一緒に支店に予約無しで行った。その時は、パスポート(現物)と、色々な書類が入ったパソコンを持っていった。
数分で担当者のところに通してくれて、そこで必要な書類を教えてもらった。その際に、パソコンの中にある書類を見せて、これで良いかとか色々確認した。自分自身で作った会社なので自分が100%株主かつ Director である事が分かる書類があれば、雇用主からのレターなんて要らないとは思うんだけど、必要らしい。後日来店することを伝えてその日は帰宅。
自宅で必要書類を印刷して、翌営業日の朝一(口座開設はそれなりに時間がかかるので、朝早い時間に来て欲しいと言われていた)で再度訪問。前回と同じ女性が対応してくれた。というか、多分、口座開設担当はその人だけなんだと思う。
書類は無事受理されたが、「雇用主からのレター」で修正して欲しい点があるとのこと。手続きは進めて口座が出来たら電話するから、その時に修正した書類を持ってきて欲しいとのこと。
4〜5日後、Maybank から SMS が来たので、支店に寄ってみたが、SMS の時点では(恐らく銀行の本部?で)承認されただけなので、電話が来てから支店に来てくれとのこと。
その数日後、最初の訪問から数えると約一週間後に銀行から電話が来た。打ち合わせ中で電話は取れなかったけど、事前に銀行の人に支店の電話番号を聞いていたので、銀行からの電話だと分かった。翌日支店に訪問して、カードを受け取って暗証番号を設定したり、オンラインバンキングの初期設定をした。
まとめると以下の通り。
- 支店に行って、口座開設の申請書をもらう(最初から必要書類を持っていけば、その場で申請書に記載して申し込みが出来るかも)
- 申請書と必要書類を持って支店で申請
- 1週間前後で銀行から連絡がある
- 再度支店に行って、カードを受け取ったり、最低額を入金し、インターネットバンキング初期設定をする
ちなみに、例によって支店によって対応が違うとのこと。前述の Mont Kiara 支店では即日発行できたという情報もあった。
雇用主からのレター
雇用主=自分が作った会社だが、自分で自分自身の雇用を証明するレターというのは意味あるのか?と思いつつ、ネットのテンプレートを適当に切り貼りして作成した。そうしたら、前述の通り修正依頼を受けた。指摘事項としてはまさに「自分で自分自身の雇用を証明するのはだめ」という事だった。
なので、取締役(Director=自分)ではなく、秘書役(Company Secretary=会計事務所)がそのレターを発行した形式にして、秘書役に署名をお願いした。
オンラインバンキングの設定
基本的にはスマホアプリで完結する。ただし、Secure2u というスマホを二要素認証のデバイスとして使うためのサービスの有効化は ATM で行う必要がある。ATM にカードを入れて、メニューから activate secure2u みたいなのを選べば良い。
Secure2u | Digital Products and Services | Maybank Malaysia
ちなみに、入金も出来る ATM (出金のみしか出来ない ATM 端末も多い)では、最初のメニューで ATM と CDM を選ぶ必要があった。それぞれは以下の通り。
- ATM (Automatic Teller Machine) で出来る事
- お金の引き出し
- その他処理(PIN の変更、Secure2u の有効化等)
- CDM (Cash Deposit Machine ?) で出来る事
- お金の入金
その他
家族ビザ(Dependant Pass)でも銀行口座開設完了
今回、無事に妻も銀行口座を作ることが出来た。前述の通り、私との婚姻関係を証明する書類として在マレーシア日本大使館で発行された戸籍謄本の英訳を提出した。日本の住民票の英訳+公証とかでも大丈夫かもしれないが、要確認。
実際に銀行を使ってくれる顧客が好まれる
最初に来店した時に、
- 給与振り込みに使うのか
- マレーシアには何年くらい滞在予定か
とかを聞かれた。当たり前の話だが、銀行側としても実際に銀行を使ってくれる顧客が望ましい。逆に言うと、口座開設だけしてほとんど使わない人は好まれない。
自分の場合、2つめの質問に対して、「子供がいるが、子供が問題無ければ5年くらいはいると思う」と答えたら、銀行員は笑顔になった。
アカウントの種類
Maybank には大量の口座の種類がある。
Open Bank Account Online | Savings Account | Maybank Malaysia
どれにするかとかは特に聞かれず、勝手に Premier Mudarabah Account-i という口座になった。別に良いんだけど。
Premier Mudarabah | Shariah Compliant Account | Maybank Malaysia
妻はマレーシアでのステータスとしては専業主婦なので、Zest-i という口座になった。
ちなみにどちらも「Islamic investment account」らしい。所謂イスラム金融、イスラム法に則った(英語で Shariah-compliant )口座。何の事か分からない人は、以下の Wikipedia を参照。
まとめ
Maybank は HSBC より必要書類は多かったが、比較的すんなり口座開設が出来た。外国人が多く住む Mont Kiara 地区のすぐそばにある Desa Sri Hartamas 支店だから、というのもあるかもしれない。