[書評] 大国の暴走「米・中・露」三帝国はなぜ世界を脅かすのか
戦略SLGと国際政治ニュース
「先の事を考えるのが楽しい」点が似ている
子供の頃は戦略シミュレーションゲームが好きだった。光栄(現:コーエーテクモ)のゲームとか、大戦略シリーズとか。相手がどうやって攻めてくるのか、それをどう撃退するのかとか、色々考えるのが楽しかった。
話を現代に戻すと、普段、ニュースサイトとかアプリで色んな記事を読む。その中で、個人的に国際関係のニュースが一番好きなのは、多分戦略ゲームと同じ感覚なんだろうという事に気づいた。国と国同士の(広義での)攻防の行方を想像したりするのが結構楽しいんだと思う。
身体性の有無
もちろん、そうした攻防の中で、(シリアやミャンマーの例を出すまでもなく、)生身の人間が沢山死んだりしているのは知っているんだけど、何だかんだであまり身近な話ではなく、いまいちリアルな感覚を持ちきれない面があるのは否定できない。
身近な北朝鮮問題であっても、ミサイルが来る可能性があるのは米軍基地か東京都心だろうし、自分が住んでいるところは大丈夫、とか思ってしまうのは安全性バイアスというやつかもしれない。
本題:内容の簡単な紹介
本書は、米中露それぞれの専門家3人が、各人の専門知識を活かした状況分析とか、あまりメディアには出てこない情報を紹介してたりする内容。
当然、日本人に取って比較的身近であるはずの北朝鮮、尖閣諸島、北方領土などの問題なども触れられていて、(北朝鮮問題とかは特に)場合によっては自分達の生活に大きな影響が起きかねないんだけど、そうした心配よりも先に
「へー、米中露はそんな戦略で動いてるのかー」
とかついつい思ってしまう。
個人的に面白いと思った章は
- ロシアが得意とする「弱者の戦略」
- 帝国主義国家における「主権」の定義
- 中国に襲われない日本をつくる
あたり。
書籍とニュース
個人的には、ニュースサイトは結構見てる方で、国内のニュースはニュースアプリ起点で、海外のニュースはRSSでざっと読んでるんだけど、ニュースはあくまで最近起きた出来事を紹介・分析・編集したものなのと
- ちょっと時間が経ってしまった出来事はあまり扱われない
- 1つの出来事の詳しい分析などはあまり行われない
- ニュース提供元の色が出る(右寄り、左寄り、等)
といった特色があると思う。なので、1つのニュースソース(例えば、新聞の定期購読)に頼るのは見方が偏るし、浅い情報しか得られないという弊害がありそう。
なので、本も読んだほうが良いと思うし、そもそも面白い本っていっぱいあるので、純粋に趣味としても楽しい。
本書は、対談形式でさらっと読めるし、普通のニュースを読んでるだけでは分からない情報が結構書いてあるので、国際関係とかに興味がある人なら面白く読めると思う。