マネジメント側から見たリモートワーク、そして新しい働き方
この記事は、リモートワーク Advent Calendar 2015の6日目の記事です。
12/7が投稿日になっていますが、日本のIT業界では翌日の午前9時までは前日の日付なので良しとしましょう。
今回、過去5日間の記事と、これからの皆さんが書く予定の記事のタイトルを拝見し、それらとは少し違った内容のことを書いたほうが価値があるだろうと思い、タイトルのような内容で書こうと思います。
ここで言う「マネジメント」とは、PM等のいわゆるマネージャーの仕事だけでなく、経営者などのトップマネジメントも含んだ用語として使用しています。
12/11追記:書ききれなかった内容を追記しました。
目次
- 自己紹介
- 基本情報
- リモートワークをやり始めることになった背景
- どんな仕事をしているか
- 会社でやっていること
- リモートワークを世に広めるのがゴール
- 開発(一括、時間)、自社ソフト・サービス
- チームメンバーは副業(パートタイム)中心
- 働く側にとってのリモートワークについても軽くおさらい
- マネジメント側にとってのリモートワーク
- 経費削減と多様な人材活用はメリット
- 自分達自身及び顧客の変化が必要
- コミュニケーションの課題?→強みに変える
- マネジメント側のデメリット
- 向いている人
- リモートワーク+副業=最強説?
- 働く側は、お金も経験も得られる(時間があれば)
- 企業側にも実は色んなメリットがある
- リモートワークのベストプラクティスを簡単に
- ツール
- やってること
- 書籍等の参考情報
後ろに行くほど細かい話になります。
なんか、目次を考えているうちに、本文が非常に長くなりそうな気がしてきました。というのも、これをテーマにブログ記事を書こうと前から考えていて、今回たまたまAdvent Calendarを人から教えてもらって参加申し込みをしたという経緯なので。もしかしたら、複数回に分けるかもしれません・・・
自己紹介
基本情報
まずは自己紹介から。後がつかえてるのでサラッと行きます。
- 40前後の男性、既婚、1歳児の父
- ソフトウェア開発(web系スタートアップ〜SIer)、運用、SE(プリセールスとか)、技術コンサルなど、雑多な経験
- 一人法人。他のフリーランス開発者などとチームを組んで仕事をしています
リモートワークをやり始めることになった背景
子供が出来たのがきっかけです。
出産の数年前からフリーランスエンジニアでしたが、お客さんのところに行って仕事をすることが多く、それを減らしていきたいなぁと漠然と希望は持っていましたが、仕事はあるだろうか?とかが心配で、あまり実行には移せていませんでした。
ただ、妊娠が分かってからは、出産後に妻に子育てを任せっきりにするのは悪いと思い、徐々に客先での仕事を減らしていき、出産直後は週1日、数カ月後には完全にゼロになりました。
どんな仕事をしているか
以下の3つをしています。
- ソフトウェアエンジニアとして、他社の開発のお手伝い
- PM兼プログラマとして、他の開発者とソフト開発
- チーム・ゼロイチというプロジェクトのCTOとして、サービス・アプリ開発の全般を統括
形式上、上の2つが一人法人が会社として受けている仕事で、3つ目は会社とはあまり関係ないサイドプロジェクトです。サイドプロジェクトをやる意味についても後述します。
他社(仮にA社とします)の開発のお手伝いの仕事は(当然)リモートワークなのですが、今回の本題とは違うので、簡単に触れるだけにしておきます。
- 社員100人未満
- 開発拠点は国内2箇所に分散
- 社員は不定期でリモートワークをしている模様。完全にリモートなのは、(多分)外注の私一人だけ
- 朝会等、随時ビデオチャットでコミュニケーション
2日目のnaoさんが書いているのと同様、自社の仕事だけだと現状ではキャッシュフローが安定しなくて精神安定上良くないので、こちらの仕事をしています。完全にリモートでやらせてもらって助かっています。
自社の仕事は、次に詳しく書きます。また、3番めのチーム・ゼロイチに関しても後ろのほうで少し触れます。
会社でやっていること
リモートワークを広めるのがゴール
「働く場所・時間帯を、働く人が自由に選べるような社会にする」
というのが会社のゴールなんですが、そのために
- リモートワークに最適な開発手法を編み出す
- それをサポートするサービスを提供する
というのを当面の目標としてやっています。
形態は開発(一括、時間)、自社ソフト・サービスなど
納品のある受託開発
では、会社でどのような仕事をしているのかを、簡単に説明します。
やっていることは、まずは納品のある受託開発。普通のやつです。これを全員リモート勤務のメンバーで開発をしています。(一般的な受託開発はいわゆる「持ち帰り」なので、発注側に取っては、どこで開発しようと知ったこっちゃない話ですが。)
リモートのメンバーで開発することにより、後で詳しく書くようなメリットがあるため、結果としてはお客様には比較的質の高いものを提供できているのではないかと考えています。
時間切り売り
労働力を提供し、1時間N円の対価をいただく、そんなやつです。これも全てリモートのメンバーで行っています。
自社サービス
この章の最初に少し書きましたが、「リモートワークに最適な開発」をサポートするようなサービスを今作っています。このサービスは、自分達がまずは第一のメインターゲットですが、同じような働き方をする会社が増えてくれば、需要が増えるのではないかと思ってます。これに関しても詳しくは後述します。
その他、フリーランスプログラマ時代に作ったソフトが今でもたまに売れて(正確にはOSSのサポートサービスですが)売上に貢献してるのですが、これは本題とは関係ないので省略します。
チームメンバーは副業(パートタイム)中心
我々のチームメンバーは、フルタイムが私以外に1人だけいますが、その他は全員パートタイムのメンバーです。こちらに割いてくれる時間で分類すると、こんな感じです。
- フルタイム:2名
- 半分前後の時間を割いてくれる人:2名
- 週末だけ、あるいはスポット:5名
リモートワークをやっている会社は増えてきていると思いますが、この部分は他社と大きく違う部分だと思います。
本業で分類すると以下の通りです。
- 副業可能な会社の社員:1名
- 副業不可能な会社の社員:2名
- そのうちフリーになる予定だしバレてもいいや:1名
- バレないようにこっそりやるぜ:1名
- フリーランス:6名
働く側にとってのリモートワークについて
これについては、一般的に言われていることをサラッとおさらいしておきます。
メリット
- 物理的に離れていても働ける
- 通勤時間がかからない
- 集中できる
- 育児・介護・家事などとの両立が比較的容易
デメリット
- コミュニケーションが比較的難しい
- 寂しい
- 私生活とのメリハリがつけづらい
といったところでしょうか。
個人的な意見を加えると、自宅勤務だったとしても育児(特に乳児)は超大変です。数時間ごとに緊急対応を要するバグが発見される、そんなデスマが数ヶ月続く感じです。
また、私生活とのメリハリですが、私の場合は全く区別が付いておらず、1週間のうち大半はパジャマ生活です。
マネジメント側にとってのリモートワーク
経費削減と多様な人材活用はメリット
さて、この辺からが本題です。まずは、リモートワークを行うことによる、マネジメント側のメリットについて書いていきます。
経費削減
これは分かりやすい話なのですが、オフィスを借りなくて良いというのは、大きなメリットです。特に私がやっているような零細企業の場合、年間で最低でも100万円程度の出費が節約出来るというのはかなり大きいです。
地方の優秀な人材と仕事が出来る
多分、これが一番大きなメリットだと思います。昨今、エンジニア不足が叫ばれていますが、東京近辺には仕事の内容も面白くて待遇も良い企業が多数あるなか、冴えない40男の一人法人と一緒に仕事をしたいと思う人は、まぁ普通に考えて頭がオカシイです。
ところが、地方に目を向けると、優秀なのに大都市圏に出たくない・出られない理由があるというエンジニアが少数ながら存在します(東京のほうが優秀な人材の割合が高いのは事実だと思いますが)。また、今は東京にいるけど、いずれは地元に帰って仕事をしたいと考えている人も結構多く、そういった人たちにとっては、リモートで仕事が出来るというのは大きなアピールポイントとなります。
また、最近ではリモート勤務可能な企業も増えてきましたが、基本的には大半の社員はオフィスに出社しているというパターンが大半で(冒頭のA社のような例)、何となく疎外感を感じてしまうのではないか等の懸念を持つ人も多いと思いますが、弊社のように完全にリモートであればそういう心配もないので、その点も長所だと考えています。
育児・介護等をしている人とも働ける
周りの話を聞くと、保育園に子供を入れられなくてやむを得ず会社を退職した女性だったり、仕事が忙しくて、土日に子供に会うと「お前誰?」みたいな扱いをされる男性などが結構います。そうした人にとって、自宅で働けるというのは決定的に重要なはずで、そうした人たちと働ける可能性があるというのは大きなメリットです。
自分達自身及び顧客の変化が必要
では、リモートワークがバラ色の未来を約束してくれる銀の弾丸かというと、もちろんそうではなく、いくつか乗り越えなければいけないことがあります。
マネジメント方法を変える
1つは、自分達の仕事のやり方・考え方を変える必要があります。完全なリモートワークというのは、大きなパラダイムシフトであり、従来のマネジメント手法がそのまま使えない部分が多くあります。
例えば、在席している、真面目に仕事している、などは確認するのが難しい(あるいは面倒くさい)ので、成果が可視化されるような仕組みづくり・評価制度が必要かもしれません。
また、アジャイル開発のプラクティスとかも、オフィスで顔を合わせることが前提となっているものが多いので、その辺も自分達なりにアレンジしていく必要があります。
マインドセットを変える
リモートワークを成功させる大きな鍵は「信頼」です。「あいつ、家でちゃんと仕事するのか?」みたいに思ってしまうと成り立ちませんし、理想としては、そう思わせるような人は採用してはいけません。
お客様を変えるのは困難
自分達を変えるのも、簡単なことではありませんが、他者であるお客様を変えるのはさらに困難です。
時間単位の契約であれば、
「自分達のオフィスに常駐して仕事をしてもらわないと困る」
と思っている企業が大半ですし、受託開発でも
「毎週、弊社(お客様)で進捗ミーティングをしましょう」
とか言ってくるお客様が多いです。
必要であれば、本ブログ記事で書いたようなメリットを提示して考え方を変えてもらうよう努力するのも良いと思いますが、場合によっては諦めたほうが良いかもしれません。
コミュニケーションの課題?→強みに変える
どうしてもオフィス環境には劣る部分がある
リモートワーク最大の課題は何と言ってもコミュニケーションではないでしょうか。直接会ってコミュニケーションを取るのに比べて、リモートでのコミュニケーションは情報量が減るのは間違いなく、ビデオチャットやカメラ設置などでかなり実オフィスに近づくとは言え、完全に同じになることはありません。
有名なところだと、チームラボの猪子さんとかはこうした理由から在宅勤務には否定的な考え方を言っています。これに対する反論やその他の意見もwebでは色々出ていますが、ここでは細かくは触れません。
リモートワークならではのメリットは「データ」
元の話に戻りますが、この課題に対する我々のアプローチは全く異なります。我々は、そもそもリモートワークを実際のオフィス環境に近づけようとするのが誤りだと考えています。リモートワークのコミュニケーションをオフィスでのそれに近づけるのは諦め、リモートワークならではのコミュニケーション、その強みを活かす方向にするようにしています。
では、リモートワークならではのメリットは何かというと、それはほぼ全てのコミュニケーションが電子化されることだと考えています。オフィスであれば、隣の席の人とのちょっとした会話などに重要な情報が含まれていて、それらはデータとして残りませんが、リモートワークでは基本的には全ての情報がオンラインを通ります。これは大きな武器だと感じています。
弊社では、他社と同様に、GitHub, Slack, ChatWork, Google Drive などのツールを使っていますが、
- それらの情報は全て1箇所にまとめて、簡単に検索出来るようにする
- チャットとかで流れている情報から、簡単に議事録・仕様書を作成できるようにする
と言った機能を持った自社独自のシステムを活用しています。
なお、現在それを他の方にも使ってもらえるように、サービス化している途中です。まだ全ての機能が使える状態にはなっていませんし、ちゃんとしたロゴとかサイトとかも出来ていませんが、主要な機能は使えますので、興味のある方は試してもらえればと思います。
サービスはこちら → Commet
マネジメント側から見たデメリット
メリットばかり書くのも不公平だと思うので、企業・マネジメント側から見た、一般的にデメリットと言われている点を挙げます。
サボる人がいる
2年くらい前の話ですが、米Yahooではリモート勤務を禁止しました。端的に言ってサボる人が多かったからのようです。これはリモート勤務の問題ともいえますが、評価制度などのマネジメントの問題も大きいように思えます。後述の書籍紹介で出てくるBasecampの人は、成果をしっかり評価するようにしないとリモート勤務は難しいと言っていました。所謂「成果報酬」には、それ単体で難しさはあるので、その辺は別途エントリーを書こうと思います。
また、大企業になると、サボる人が一定数出てくるのは仕方ない面もあります。これはリモート勤務特有の問題では無いと思いますが、リモート勤務の方がサボりやすい、というのは確かにあります。
クリエイティブな仕事に向かない
ここでの「クリエイティブ」というのは、デザイナーとかに限定せず、何かを創造する・生み出すこと全般を指す広い用語として使います。ソフトウェア開発もそうですし、新規事業企画とかも含まれます。
リモートではクリエイティブな仕事には向かないという意見も結構あります。前述の猪子さんなどもそうした意見を言う人の一人です。自分の意見としては、そういう面は否めないと思いますが、定期的に直接会ったりすることで、かなり緩和できるのではないかとは思っています。
向いている人
本章の最後に、リモートワークに向いている人はどういう人かを挙げてみます。
その前に一つ言いたい事としては、優秀な人はオフィスだろうとリモートだろうとちゃんと結果を出してくれるので、もしそういう人たちだけであれば何の心配も要らないと思います。
では、リモートワークに向いている人の要素を2つだけ挙げます。
- 行動して結果を出す人
- 文字でのコミュニケーションに慣れている・長けている人
1番目は当たり前に聞こえますが、リモートの場合相手が何をしているか見えづらいので、考えた内容を実際に行動にうつして結果を出す人がまず求められます。
2番目ですが、リモートの場合は、文字だけのコミュニケーションが多くなりますので、言葉足らずで相手をイラツカせてしまったり、コミュニケーションが少なくて、何をしているのか相手に分からないような人だと、色んな問題の元となります。メールなどの文字だけのコミュニケーションに慣れている人が望ましいです。
以下、前回書ききれなかった内容を追記しました。(2015/12/11)
リモートワーク+副業=最強説?
前述の通り、私達のチームでは、ほぼ全員がなんらかの別の仕事を持っています。そのことは、どんな意味を持つのでしょうか。
働く側は、お金も経験も得られる(時間があれば)
money ¥$ money ¥$ money ¥$
まずは働く側にとってのメリットを挙げてみます。働く側が複数の仕事を持つメリットは、一番分かりやすいのはお金です。会社の仕事を昼間にやって、夜や土日の空いた時間で別の仕事をすればその分お金が入るので、1つの仕事より収入面で有利です。
ただ、夜と土日に仕事すると言っても、普通に出社が必要だとすると、移動時間や終電などもありあまり効率的ではありません。そう考えると、リモートワークと副業の親和性が高いのが分かるかと思います。(正確にはリモートワークかつ勤務時間が自由である必要がありますが。)
技術・知識の幅を広げられる
では、副業で得られるのはお金だけでしょうか。もちろんそんなことはありません。副業で得られる2つ目のメリットは経験です。
1つの仕事だけしかしていないと、技術・知識などが偏ってしまい、その会社・プロジェクトだけでしか通用しない人材になってしまう危険性があります。40を過ぎると転職が難しくなる原因の一つはそういったところにあるようです。
副業することにより、本業では得られない技術・知識を経験しながら得られるのは、働く側に取っては大きなメリットです。世の中には座学だけでは得られないことが沢山あります。
そうした背景もあり、最近では副業を奨励している会社も少しずつ出てきました。副業で得た経験を本業に反映して欲しいという意図があるようです。
また、本題とは外れるので少しだけ触れるのに留めますが、私が関わっているチーム・ゼロイチというプロジェクトでも「ゼロイチ会社員」というのを増やす取り組みを行っています。これは、会社員が社外で新規事業を立ち上げる経験を通じて「イノベーション力」を向上させるというものです。昨今、どこの企業も新規事業の立ち上げに苦労していますが、社員の会社外での活動というのは、そうした課題を解決する鍵となる可能性があります。
過度の依存を減らす
これは前項に含めても良い内容かもしれませんが、副業で成果を出せるようになると、本業に過度に依存する必要がなくなり、心の安定につながります。1つの仕事しかしていないと、その仕事で何か問題が発生した場合に生活に直結するため、プレッシャーやストレスが非常に大きくなります。嫌な上司がいても逃げ場がありません。
副業をして、他でも仕事が出来る自信を付けていれば、会社の倒産、プロジェクトの打ち切りなどにも比較的落ち着いて対応出来ると思います。
時間が足りない!
副業を持つデメリットの一番は、プライベートの時間が少なくなることです。本業も副業もしっかりやろうとすると、それなりに時間を使わざるを得ません。これに対する解はないのですが、あえて言うなら、「空いた時間をそれに使いたい」と思うくらい情熱をかけられるものを仕事にすることくらいでしょうか。
企業側にも実は色んなメリットがある
働く側に取っては大きなメリットがある副業ですが、先ほど少し触れたように、企業側にとってのメリットも色々あり、最近では副業奨励の会社なども少しづつ出てきました。
これに関しては、ここで私があえて色々書くよりは、副業を奨励している会社の記事などを実際に読んでもらったほうが良いかと思うので、ポイントだけまとめておきます。
- 本業の外で得たものを会社に還元してくれる
- 知識・技術
- 人脈など
- 自主性
- まだやっているところが少ないので、人材採用の際のアピールになる
- 正社員の場合、残業代が減る
弊社の例で言っても、掛け持ちのメンバーが他の会社での経験などを持ち込んでくれるのは、チームにとって大きなプラスですし、「リモートでOKですよ。フルタイムじゃなくていいですよ。」というのは、人の確保という点で大きなメリットです。
以下、副業OKな会社の事例をいくつか挙げておきます。
また、人件費の抑制といった消極的な理由ながら、大手製造業も徐々に副業を解禁しています。
リモートワークのベストプラクティスを簡単に
リモートワーク Advent Calendar 2015 を見ると、リモートワークをどう運用しているかは、会社ごとに色々特色がありますね。ここで、簡単に自分達のやっていることについても触れておきます。
ツール類
一般的なツールは普通に使う
以下のようなソフトウェア、webサービス開発における一般的なツールは当然使っています。お客様や取引先に合わせてツールを変えることもあるので、結構種類は多くなっています。
- ソースコード管理(GitHub, Bitbucket)
- チャット(Slack, ChatWork)
- ドキュメント共有(Google Drive, Wiki, Confluence, Qiita Team)
- タスク、プロジェクト管理(GitHub issues, Backlog)
リモートワーク特化のツールはあまり使っていない
リモートワークを積極的に取り入れているソニックガーデンさんが作っているRemottyなどのことですが、以前は少し使っていたのですが、使うのをやめてしまいました。理由としては
「リモート勤務を通常のオフィス勤務に近づける方向性はやめた」
ということが一番の理由です。複数ディスプレイを使っていたとしても、画面の一部を専有されるのはなんとなく鬱陶しいですし。
Skype, Google Hangouts 等のチャットやビデオ会議は頻繁に行っています。
自社ツール
前の方に書いたので軽く触れるだけにしておきますが、リモート勤務をしていると、上で挙げたような沢山のツールにデータが分散してしまい、どこに何があったのかが分からなくなってしまいます。それを簡単に検索し、文書化できるような自社ツールを作って運用しています。
やってること
ツール以外で、どのように運用しているか、ですが、実はあまり大したことはやっていません。
- 定期的な音声・ビデオチャット
- チャットツールでの頻繁なコミュニケーション
- 完璧でなくていいので、ちょっとした情報もドキュメントに残して他のメンバーに参照しやすくする
結局のところ、リモートワークを成功させるのは、働く人間であったりその人たちが作る文化みたいなものなのかもしれません。
書籍等の参考情報
段々尻すぼみなエントリーになってきましたが、最後にリモート勤務に関する書籍やwebサイトなどを、簡単なコメント付きで挙げていきます。
書籍
リモート勤務関連の書籍の走りだと思います。Ruby on Railsの開発元である37 signals (現Basecamp)が、リモートワークの実践における彼らの考え方、tipsを紹介しています。
随分前から日本で在宅勤務を推進している方の書籍です。副題から分かる通り、主に企業側の視点で書かれている書籍なので、推進する立場の人には参考になると思います。
(自分にとって)良くなかった点も書いておきます。
- IT系に特化した話ではないので、割と一般的な話が多い
- ツール類の活用に関しては(当然ながら我々ITエンジニアからすると)遅れているので参考にならない
元Microsoftのマネージャーが、WordPress開発元であるAutomatticに転職して、同社初のチームリーダーとしてリモートチームと共に仕事を進めていくうえでの様々な話が書かれています。実体験に基づいた非常にライブな感じのする面白い本です。
反面、リモートワークを進める上での資料としてはあまりまとまっていないので、他の書籍やwebサイトなどで情報を得た上で読むと良いかもしれません。
リモートワークに特化した話でなければ、その他にも良い書籍が色々ありますが、それに関しては別の機会に書こうと思います。
webで得られる情報
英語での情報
The Ultimate Guide to Remote Work は、前述のAutomatticと同様に完全にリモート勤務を実施しているZapier社が出しているPDFです。随時アップデートしていますし、内容も簡潔にまとまっているので必読と思います。
これによれば、リモートワーク成功の鍵は1. チーム、2.ツール、3.プロセス、とのことです。詳しくは是非読んで下さい。
また、Chapter 14に、他のリソースへのリンクなどがあります。GitHub, Buffer など、各社の事例へのリンクがあるので、それらも是非参照してみてください。
日本語での情報
Zapierの方は、上で触れた通り、リモートワークの成功の鍵の一つにプロセスを挙げていて、またそれを支えるカルチャーも重視しています。
当然ながら、シリコンバレーのIT企業と日本の企業では事情も大きく異なると思いますので、日本語の情報にもあたっておくと良いと思います。
ソニックガーデン倉貫さんのブログは、リモートワークに限らず、マネジメント、納品のない受託開発などについて、定期的に更新していて参考になります。
リモートワークラボは、リモートワークに関する記事や、リモートワークを行っている会社へのインタビューなどがあります。正直、他で読んだような内容の記事も結構ありますが、一箇所にまとまっているのでざっと目を通しておくと良いかなと思います。
最後に
久しぶりに長文を書いて疲れました。最後の方は息切れしたので、元気な時に随時更新していこうと思います。
ご意見等は、コメント欄に記載して頂ければと思います。メールでの連絡をご希望の方は k a z u アットマーク k a z u ドット t v までお願いします。