[書評]戦略サファリ

色んな戦略論を概観する

経営とかマネジメントの本って死ぬほど沢山あって困る。有名なのとか話題になってるのとかはちょくちょく読むんだけど、そもそも自分は経営とかって専門外なので、何となく断片的に知識とか情報が入ってくるものの頭の中でうまく整理されず、仕事にもあまり活かされている実感がなかった。

何かのキッカケでこの本、戦略サファリを読んでみたんだけど、これ面白い。過去から現在に至るまでの、いろんな戦略・マネジメントの手法・研究を10個の「スクール」に分類して、それぞれの概略を説明すると共に、それらの前提・功績・批判、あるいは歴史や他のスクールとの関連などを詳細に述べている。例えばマイケルポーターに代表される「ポジショニングスクール」、ピーターセンゲ等の「ラーニングスクール」などなど。

今まで断片的に知っていた知識や手法が、どういった流れの中で出てきたのか、どういう時に有効なのかというのが、何となく大局的な視点から見る事が出来て、今までのモヤモヤがかなり晴れた。

主著者のミンツバーグが本書でたびたび触れているのが、有名な象の寓話。戦略を象に喩えて曰く、戦略には色んな見方があるので、一つの狭い見方(言い換えれば一つのスクール)に固執しては全体を見失う、と。なるほどなぁと思った。

ミンツバーグらの立ち位置

本書ではなるべく客観的な視点から10のスクールを概観するという趣旨だが、著者らは「コンフィギュレーションスクール」や「ラーニングスクール」を支持する立場のようなので、若干そっち寄りになってしまうのは否めないし、著者らも実際にそのように断っている。

彼自身の考えは「MBAが会社を滅ぼす マネジャーの正しい育て方」(この日本語タイトルは煽りっぽくて好きじゃない。原題はManagers Not MBAs)や「マネジャーの実像」あたりに詳しく書いてあるっぽい(自分は未読)。

ハウツー本ではない

前書きかどっかにも書いてあるけど、この本は経営とかマネージメントのハウツー本じゃないので、すぐに役に立つって訳では無いと思うけど、前述の通り、頭の中が整理できたのでその意味で役に立った。

最後に

以前は面倒くさがってやってなかったんだけど、最近は読んだ本はマインドマップにまとめるようにしてる。その方が頭にしっかり残るし、後から見返すとどんな内容だがすぐ分かるし。

ということで、この本に関してもやってみたんだけど、本書は分量が多いのと、こういった分野(戦略とか)は素人なので、うまくまとめられずに巨大になってしまった・・・が、一応載せとこう。

「戦略サファリ」のマインドマップ
「戦略サファリ」のマインドマップ

余談

ミンツバーグはMcGillの先生だってのを後から知った。昔モントリオールに住んでたので、そういった意味でも何となく親近感が湧く。

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