さようなら、ギャングたち
さようなら、ギャングたち / 高橋源一郎
かなりシュールな設定なんだけど、なんとなく違和感なくすーっと読み終わった。後半は文字数が少ないページが多かったし。
この小説の場合、あらすじを書いてもあまり意味なさそうだから書かない。amazonのレビューとかを参考にして欲しい。amazonのレビュー見ると、ポップ、ポストモダンという切り口で語られていて、かなり評価が高い。
変った設定や挿絵入りの構成、浮遊感がありつつも突然話の流れがガラッと変ってしまう文体、そういう「ポップな」所ばっかりに囚われて読んでしまうと本質が見えなさそうな気がする。かといって自分はこの作品を読んで理解出来たかっていうとかなり疑問。そもそもポストモダンっていまいちよく分かってないし。
結局この小説での「ギャング」は何を指してるんだろう?著者が学生時代に投じていた学生運動とかの活動家の事とも読めるし、小説家の事って気がしなくもない。「詩人」はそのままの意味っぽいけど、「詩の学校で詩を教えている」ってのが結構強調されてるから、所謂「詩人」とも違うのかもしれない。
巻末に著者の年譜が載っているんだけど、この作品に個人的な体験が色濃く出ているってのは間違いなさそう。解説の人も指摘してるし。
小説の、詩の、言葉の意味みたいなのがテーマなのかな。まぁそういうのをあまり考えなくても中々面白い小説だとは思うけど。