現代文学の読み方・書かれ方&阿部和重

現代文学の読み方・書かれ方―まともに小説を読みたい・書きたいあなたに / 渡部 直己
(このページの後半に若干ネタバレあり)
文芸評論家(?)の著者と気鋭の作家9人の対談集、かな。こないだ「インディビジュアル・プロジェクション」(以下IP)を読み直した時にWebを検索したら、この本で阿部和重がIPについて語っているというのを知って、その為だけに買った。
amazonでのレビューにも書いてあるけど、この本、村上春樹ファンにはお勧めできない。冒頭の1章(序文?)を村上春樹をこき下ろすためにわざわざ割いている。阿部和重との対談中でも引き合いに出されている。あと、辻仁成も「あの程度の作家が」等と酷評されている。
で、そんな筆者が認める作家9人の話は中々面白いかな。
まぁそんなのはどうでも良くて本題のIPの謎解き(?)だけど、515事件という糸が織り込んであるんだねー。読みながら「日記の日付が重要な意味を持つんだろうなぁ」とは思っていたものの深く調べずにいたんだけど、それを知ってから読むとあの本もまた違った風に読めるな。
対談で本人も認めているように、考えたネタを「あざとい」位に盛り込んでいるIP、やりすぎ感も若干あるけど彼の力量は確かにスゴいね。で、色んな所で評価を受けている彼を新人作家の登竜門的存在の芥川賞に選んでしまうってのはどうなんだ?と世間では色々言われてるみたいだし、自分も最初「えっ?」と思った。
まぁ何にせよ今注目の作家である事は間違いなし。

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